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片側顔面痙攣

この先は実際の手術写真が含まれている場合がございます。このような写真で気分が悪くなるような方はご覧になるのはご遠慮ください。

顔面の片側の筋肉が、自分の意思とは関係なくピクピクと動く病気です。最初は片目の周りの痙攣が起こることが多く、徐々に頬や口の周りなどに痙攣の範囲が広がります。痙攣の程度が強くなると、顔がつっぱってゆがんだ状態になったりします。痙攣の頻度は、最初は緊張したときなどにときどき起こるだけのことが多いのですが、次第に頻繁に起こり、日常にもみられる様になり、対人恐怖症や引きこもりがちになることもあります。原因は完全に解明されていませんが、脳の深部で顔の筋肉を動かす顔面神経に動脈硬化による蛇行した血管が接触して、圧迫することも原因の一つではないかと言われています。この病気で困っている方は少なくなく、中高年の女性に多いともいわれています。主な治療法はボツリヌス治療と、微小神経血管減圧術があり、そのほかの薬物療法もありますが、大きな効果を認めることは稀といえます。ボツリヌス毒素での治療は、2000年に保険適応もされ、安全性が高いですが有効期間が徐々に少なくなり、注射の間隔が短くなり、最終的には効果が乏しくなることが多いと言われています。微小神経血管減圧術は、原因である顔面神経と血管の接触を、手術でとり除いて完治させる方法です。完全な治癒を強く望まれる場合や発症から長い年月が経ち症状が強くなった場合、微小神経血管減圧術を行っております。耳の後ろの部分の髪の毛のある部分に7-8cm程度の皮膚切開を置き、3-4cmの小さな開頭を行います。減圧の方法としては神経に接触する血管の圧迫を解除する為に神経と血管の間にテフロン綿をおく古典的な方法がありますが、再発の可能性、再手術の癒着を考慮して、当院では癒着の少ないゴアテックス製のテープにて血管を神経から離れた位置に移動させる方法を行い、良好な成績をおさめております。聴力低下の可能性、顔面痙攣の消失を確認する為に、手術開始前から電気的な神経のモニターを行い、手術の安全性を高めています。実際の手術中の写真をお示しします。(図1)

図1:左顔面痙攣の手術所見です。黄色矢印の乳白色の構造物は聴神経、顔面神経が重なってみえます。緑矢印は血管で神経を圧迫していたので、剥離して位置を神経にあたらない方向に持っていきます。青矢印の手作りのテープを用いて行っています。
 

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