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脳内出血

この先は実際の手術写真が含まれている場合がございます。このような写真で気分が悪くなるような方はご覧になるのはご遠慮ください。

症状

脳出血は脳血管が破れる病気です。特に高血圧との関連が深く、出血部位により様々な症状を期します。多くは手足の運動麻痺、手足の感覚障害、しゃべりにくさなどの症状、強いめまいや吐き気、バランスの症状、出血が多いと意識が悪くなるなどの症状が現れます。

治療

少量の場合は、血圧のコントロールを中心に保存的治療を行います。血腫除去が必要な場合は開頭して血腫を除去する方法(開頭血腫除去術、図1)と、神経内視鏡を用い、穿頭(頭蓋骨に500円玉程度の穴を置く)して血腫を吸引除去する方法(内視鏡的血腫除去)があります。当院では患者さんの状態、血腫量、部位などを考慮して、治療方針を決定しています。

図1:当院での開頭血腫除去術の写真(術前、術後)

神経内視鏡について

内視鏡は胃カメラなどでおなじみの、細いガラスファイバーを通じて光を出しながら深部を観察するチューブです。脳神経外科領域の内視鏡手術を神経内視鏡手術と呼んでいます。脳を圧排しながら行う従来の開頭手術の侵襲を少しでも小さくするために開発されてきた方法です。神経内視鏡は脳室というスペースの観察に最も適しています。脳内血腫や膿瘍などの内部も観察できます。一方、脳や血管の裏側や、深部の観察は開頭手術中に内視鏡を術野に入れて行うこともあります。 神経内視鏡手術で用いられる内視鏡は大きく2種類に分けられます。一つは硬性鏡と呼ばれる金属の鏡筒を持つもので(図1)、もう一つは軟性鏡といい内視鏡の本体が樹脂でできているため可動性を有するもので、胃カメラと同じ構造です。(図2)

図1:神経内視鏡手術用硬性鏡 図2:神経内視鏡手術に用いられる軟性鏡

一般的に硬性鏡は画質が優れ鮮明な画像が得られますが観察できる方向が限られるという欠点があります。これに対し軟性鏡は画質では硬性鏡に比べ劣りますが機動性があり広い範囲をくまなく観察したいというときに有利です。実際の手術では脳室内や血腫腔内への内視鏡の挿入のためには、穿頭術(約500円玉の大きさ)を行い、硬膜を切開して脳に細い管を差し込んでいき、目的の腔内へ留置します。この管を通して内視鏡を差し込みます。先端に血液などが付着すると見えなくなってしまうので、生理食塩水で洗ったり、ふき取ったりしながら作業を続けます。病変部を観察した後、内視鏡の側孔より鉗子やバルーンカテーテルや凝固止血させるための道具類を挿入し、病変部を切除したり、穴をあけ、広げたりといった手技を行います。術者は内視鏡に取り付けられたカメラの映像をモニターでみながら、内視鏡の先に手術器具をだして操作を行います。当院で行った症例を提示いたします。

症例1 : 75歳、女性、意識障害にて救急搬送。脳室内出血、急性水頭症にて脳室ドレナージ術を施行後に、神経内視鏡を用いた脳室内出血の血腫除去術と第三脳室底開放術を施行しました。その後、水頭症なく経過しています。
症例1:術前 脳室ドレナージ後
術後
症例2 : 40歳、男性、突然の左片麻痺にて当院に救急搬送された被殻出血の症例。局所麻酔下に内視鏡的血腫除去術を施行しました。現在、屋内歩行、ADLも自立しています。
症例2:術前 術後
症例3 : 45歳、男性、突然の意識障害にて当院に救急搬送。急性水頭症、小脳出血にて同日内視鏡的に血腫除去術を施行しました。
症例3:術前 術後

 


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